アウトドアの楽しみ方会報60号

第40回
     夏に見たい花といえば

 さて、5月も半ばを過ぎると季節は春ですがだんだんと汗ばむ日も多くなり夏の到来を予感させます。夏ともなれば野にも山にも多くの花が咲きだします。皆さんは夏に咲く花と問われればどんな花をイメージしますか。夏の青空に良く映えるピンクの百日紅、それとも朝露に輝く朝顔でしょうか。個人的には朝顔と言うと小学校での理科の授業を思い出します。観察日記をつけ、花が終わった後、種を取るのも楽しかった、、、。ちなみにこの朝顔、原産は中国で平安時代に渡来。花言葉は「愛情」「平静」だそうです。夏の朝の風物詩ともいえる朝顔ですがやっぱり夏と言えばひまわり。そうなんです、あの大きな花が自分としては夏のイメージにピッタリなんです。ひまわり、いいですよね。真っ青の夏の空に白い大きな入道雲、それにも負けない大きなひまわり。やっぱり夏はこうでなくっちゃと思います。絶対に、、、。
さて、ひまわり。一輪でも良いのですがそれがたくさんあれば、、、そうです、一面のひまわり。いやはや、これはもう至福の時であります。夏の楽しみって色々あると思いますがこれはもう一番かもしれない、、、。でも一面のひまわりなんてなかなか、、、特に東京では、、、。とまぁそう思う方多いと思いますが、実はあるんです、見れるんです、一面のひまわりが。しかもこの多摩地域で!

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  場所は武蔵村山。その名も「ひまわりガーデン武蔵村山」。多摩モノレールの上北台の駅から徒歩約10分。駅からちょっと北へ行くと新青梅街道との交差点に出ます。この交差点を左、西に進みます。道を挟んで警察署が見えてきたらもうすぐ。左手にひまわりが見えてきたらそこがひまわりガーデンです。うれしいことに入場無料。駐車場もあります(有料ですが)。開催時期はひまわりの開花状況次第ですが7月中旬から8月上旬にかけてです。園内には見晴台やゴーヤのトンネルなどもあり色々楽しめます。このひまわりガーデンは都営村山団地の建替事業に伴い発生した用地を東京都から借り受け、2012年度から「ひまわりガーデン武蔵村山」として開園しています。しかも種まきから市民ボランティアの手で運営されています。そして特筆すべきはその規模でありましてなんとひまわりの数は50万本ともうびっくりするような、気が遠くなるような、、、。いやもう一面のひまわり。右を見ても左を見てもってこれだけの規模になれば当たり前か。さらに、なんと、これだけでないのがこのひまわりガーデンのすごいところでありまして、ここでは色々な種類のひまわりを見ることができます。

例えば、、、このひまわりは「ルビー」。
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このひまわりは「ソーラーパワー」。
なんとそのものずばりの名でありまして、、、。
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こちらは「クラレット」。
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そしてこのひまわりは「バレンタイン」。
ちょっと小ぶりなその姿はロマンティックな名にぴったりであります
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この他にも多くの種類のひまわりを見ることができるのでうれしい限りです。
どこまでも、どこまでもひまわり。いやぁ、いいものです、いっぱいのひまわり。そう言えばゴッホも度々ひまわりを自身の作品に取り上げていますが、ひまわりの花には人をひきつけてやまない何かがあるのでしょうか。私自身はこうしてひまわりに囲まれているとかつて見たイタリア映画の「ひまわり」をふと思い出します。主演のマルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンも素晴らしかったのですが何と言ってもひまわり畑のシーンが忘れられません。ひまわりを見て儚さだとかをちょっと感じてしまうのはこの映画の影響かもしれません。ヴィットリオ・デ・シーカが撮ったこの映画はヘンリー・マンシーニの音楽とも相俟って美しいけれども悲しい映画でした。

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  ところでひまわりはキク科の植物で原産地は北アメリカ。漢字だと向日葵と書きます。花が太陽の動きに合わせてその向きを変えることからきていますが実際にはそのようなことはなく、花首の柔らかいつぼみの時だけ昼間、太陽の方に向きを変えますが開花してからは動かないようです。英語ではSunflower。そのものずばりですが、学名はHelianthus annuus。Helianthus(ヘリアンサス)はギリシャ語のhelios(太陽)とanthos(花)が語源で太陽の花と言う意味。洋の東西を問わずひまわりと太陽は相性が良いようで、やはり夏の花と言えばひまわりなのでしょうか。ちなみに花言葉は「憧れ」「あなただけを見つめる」。情熱的な花だからこの花言葉なんですかねぇ。そうそう、ひまわりってロシアの国花だそうですよ。

温暖化の影響なのでしょうか近年、夏と言うと厳しい季節と捉えられているかもしれません。まぁ確かに猛暑だったり、豪雨だったりと災害も増えています。それでも、だからこそ夏の楽しさを見つけていきたいです。せっかく四季のある国に暮らしているのですから。夏に負けない、夏を楽しむ。
ぜひ、皆さんも夏の楽しみを探してみませんか。