地球時代の 会51号



第41回            

ショウコが婚約しました

卒業式.jpgショウココ 卒業式に彼と娘のショウコが婚約しました。
お相手は、6歳から南アフリカに住むイスラエルからの移民の青年アディア君です。ショウコより9歳年上の彼は、穏やかで優しく、しっかりしていて、安心して娘を新しいステージに送り出すことを託せる相手です。
南アでは、私たちも日本からの移民です。私たちも、差別やいわれのない中傷を受けたこともないわけではありません。が、なんと言っても圧倒的に見かけの違うアジア人の容貌をしているので、その程度はたかが知れています。
それに、差別をしてくるのは、私たちを知らない顔の見えない人々です。個人的に私たちを知っていて、差別してくる訳ではないので、そういう志の低いところからの攻撃は無視するか、こちらの度量ではね返せばいいのです。
でもね、それだって、差別はあるのです。

そして、それはどうしたって、どんなレベルでも、嬉しいものでも楽しいものでもありません。
でも、差別というものは、自分に向けられた“暴力”として実際に経験しないと、どんなに共感力のある人でも、その "当事者たち" と同じ土俵に立つのは難しいでしょう。
そう言う意味で、南アで生きていくと決めているショウコに、こういった負の感情に一緒に向き合っていけることもできるパートナーとめぐり合えたことは天性の運の良さの表れでしょう。もしかしたら、天国のお父さんやおじいちゃんおばあちゃんの計らいでもあるのかな?
私は人生は冒険だと思っています。そして、常々、考えすぎはよくない、と言っている人間ですので、今回のことも大賛成しました。
さて、実はショウコさん、2017年は日本に長く滞在して日本語力に磨きをかける計画を立てていました。ここで、婚約、となるとその計画にも変更があるのかな、と聞いてみると、日本行きはもちろん実行するようです。が、それだからこそ、彼との関係もはっきりさせてから南アを出発したかったようです。
というわけで、今回、彼女から彼にプロポーズをしたそうですよ。休暇で訪れていたアメリカのオレゴン州の雪の中で、プロポーズ.jpg片膝を雪につけて、
"Will you marry me?"
と決めたそうです。
普段からフェミニズム思考の強いショウコです。こういう伝統的な〝しきたり″? にも普段の心情を反映させてしっかり実行し、母は心から嬉しかったのです。

ショウコいわく、彼と巡り合ったのは、本当に素敵な運命で、これからもずっと一緒に人生を送っていく家族になりたいのだそうです。
でも、これには落ちもあります。
彼から、形式通りに、「お嬢さんと結婚させてもらえますか?」と聞かれた私の最初の一言は、
"Are you sure?" (ええ?本当にいいの?)、
とつい本音が出てしまったのです。だってねぇ、ショウコの母ですから!
三人で大笑いしました。
私はこれまで多くの場で、多くの子どもたち、大人に異文化を受け入れることの楽しさを伝えてきた人間です。自分が率先して、その具現者でありたいとも思ってきました。
私にとって、母方のルーツはポーランドから、父方のルーツはイスラエルからのユダヤ系家族が自分たちの家族になってくれるということに心の底からの喜びを感じています。
ショウコのこのプロポーズ、米国のオレゴン州にいるときに起こったわけですが、その米国人の家族も大喜びしてくれて、なかでも、ベバリーおばあちゃんが、「Welcome to the family!」 とアディア君に言ってくれているのを聞いて、涙腺が緩みました。

私にとって、2016年は交通事故を起こしたり、仕事面においても、なかなか厳しい局面もありました。でも、くじけている場合ではないですね。もうちょっと私の出番はありそうです。
肌の色が違っても、信じる神様や習慣が違っても、人間は分かり合えるんだ、という単純で力強いメッセージを自分の生活を通して発信していくことが大切、ということを実感させられたショウコとアディアの婚約です。
結婚式通知.jpg結婚式の日 通知実際の結婚式は2018年の6月24日の予定です。
またこの結婚式もかなり型破りでユニークなものになりそうです。世界各国のいろいろな結婚式に出てきたショウコ、結婚プランナーとかを雇うの?と聞いた私に、
「お母さん、私は舞台芸術の訓練を大学で受けてきたんだよ。自分で自分たちの結婚式を思いっきり自分たちらしくプロデュースするからね!結婚式場も借りないよ。大きな木の下でみんなを集めてピクニックだよ!」
だそうです。
もう、「この日を予約しておいてね!」の招待客リストは軽く300名を超えているようで。で、花嫁の私は大量のお寿司をその日に巻くことになりそうな……。

新しい家族の章の始まりにわくわくしています。